療育から学んだ私にも大切なこと

人との関係や気持ちが楽になるヒントがいっぱい

先の見通し

前回は、終点を捉えることの意味を書きましたが、この終点の理解は、その少し先のスケジュールの理解(先の見通しを持つこと)にも繋がっていくようです。

先の見通しがわからない世界を想像してみたいと思います。 例えば、授業。45分で終わって帰れるとわかっているから、私達はじっと座って聞いていられるけれども、その予定が全くわからなかったとしたら、どうでしょう。いつ終わるのかを質問する手段もわからない、しかも、面白くない授業だとしたら、苦痛で不安で落ち着いて座ってなんかいられない気がします。それどころか、どうにか脱走することを考えてしまいそうですし、それを阻まれたらパニックにだってなるかもしれません。落ち着きのない子の中には、それが理由のお子さんもいます。

療育では、対処の方法として、次の活動を写真や絵で提示していました。おやつなら、おやつのイラスト等。または一日の主なスケジュールを朝、カードで提示することも必要に応じてやっていました。そうすることで、人が変わったように落ち着くお子さんがいます。そんなとき、こちらの方が ”いままで不安だったんだ、ごめんね" という気持ちになります。このカードを生活の中で取り入れているご家庭もあります。

自分の育児を振り返っても、これに近い事を知ってから楽になった経験があります。2歳過ぎから3歳くらいの自己主張をはじめる頃、全く言う事を聞いてくれなくなり途方にくれました。出かける時など「早くして」と何回言っても超マイペースで支度に時間がかかる。そんなとき「バスに乗るの楽しみだね、行こう」とか「今日は保育園で○○やるんだって」というとすっと、靴を履く。3歳くらいで会話は成り立ってくると、いろいろとわかっているように錯覚してしまいますが、先の見通しを大人のようにはっきりと持てていないので、先の楽しい出来事を聞くとさっと動けるのだと思います。私はこれを他のお母さんの声掛けから学びました。

 

それから、私自身も見通しを持つことで出来ないことが出来たという経験があります。それは何か苦手なことに取り掛かる時に、何分間と時間を区切るという方法です。私は掃除があまり好きではなく、それでいて、やるならとことんやりたいので、中々取り掛かれない。そこで、完璧に出来なくてもいいから20分間はやる、20分で止めていいと決めると、気軽に始められる。だいだい30分くらいはやってしまい、時には時間を忘れて50分くらいやってすっかり綺麗になり、とても爽快な気分になったこともあります。そのおかげか、今は掃除はきらいでなく、むしろ好きになりました。同じような経験をお持ちの方も多いかもしれません。

 

先を見通せることの大切

先が見通せれば、安心して過ごせること、力を発揮できること

を子どもたちから学ばせてもらいました